今時注目すべき次世代データベーステクノロジースタートアップ4選

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データベーステクノロジーの重要性

データベース技術は、現代のビジネスにおける情報管理の中心的な役割を果たしています。

データベースとは、情報を整理して保存するためのシステムです。

データベース内の情報はデータテーブルと呼ばれる構造に格納されます。データテーブルは行(レコード)と列(フィールド)で構成されています。行は特定の項目や個体に関する情報を、列はその項目の特定の属性を表します。

データベースに保存された情報にアクセスするためには、クエリと呼ばれる命令を使用します。クエリは、SQL(Structured Query Language)という特殊なプログラミング言語を使用して書かれます。

データベースは、データベース管理システム(DBMS)によって管理されます。DBMSにはいくつかの種類がありますが、最も一般的なのはリレーショナルデータベースとNoSQLデータベースです。リレーショナルデータベースは、データをテーブルに格納し、テーブル間の関係を使用してデータを組織化します。一方、NoSQLデータベースは、非構造化データや大量のデータを効率的に処理するための新しいタイプのデータベースです。

データベースを扱うシステムや言語の難解さから、従来は専門家が必要な領域でした。

そのため、この分野で革新的なソリューションを提供するスタートアップ企業は特に注目を集めています。

今回はその中でも特に注目すべきデータベーステックスタートアップを紹介します。

1.SurrealDB

SurrealDB

企業の概要

SurrealDBは、NewSQLクラウドデータベースで、サーバーレスアプリケーション、ジャムスタックアプリケーション、シングルページアプリケーション、伝統的なアプリケーションに対応しています。これはクラウド、オンプレミス、組み込み、エッジコンピューティング環境での展開を可能にする多機能で価値を提供します。

強み

SurrealDBの特長は、データベースとAPIスタックの簡素化で、ほとんどのサーバーサイドコンポーネントが不要となります。SurrealDBへの直接接続を可能にするウェブデータベースとして、クライアントサイドアプリケーションが直接構築できる一方で、伝統的なサーバーサイド開発技術も引き続きパワフルかつシンプルなクエリと分析能力を活用できます。

既存のサービスと比較すると、SurrealDBはデータベースレイヤー、クエリレイヤー、APIと認証レイヤーを一つのプラットフォームに統合しています。これにより、カスタムのバックエンドコードや複雑なデータベース開発に関連するセキュリティルールが不要になります。さらにグラフデータベース機能をフルに活用することで、より高度なクエリと分析が可能になります。

成長性

(投稿時の日付時点を入れる)最新の資金調達の状況を見ると、SurrealDBは2022年12月7日にシードラウンドで600万ドルを調達し、FirstMarkからの資金提供を受けています。

2.Xata.io

Xata

企業の概要

Xata.ioは、開発者のためのサーバーレスデータベースを提供する企業です。サーバーレスデータベースとは、ユーザーがサーバー管理や容量プロビジョニングを気にすることなく、データベースを利用できる技術のことを指します。Xata.ioのデータベースは、GitHub、Vercel、Netlifyなどの開発環境に簡単に統合でき、開発者がデータに簡単にアクセスできるようにします。

強み

従来のデータベースと比較して、Xata.ioは大きく2つの特長を持っています。まず、PostgreSQLをベースに、豊富なデータタイプ、スキーマエディタ、スプレッドシートのように感じるテーブルエディタを追加しています。これにより、データベースの作成と管理がより簡単になり、全てのチームメンバーがデータベースにアクセスできます。

また、Elasticsearchを利用して、高速でスケーラブルなフリーテキスト検索エンジンを提供します。これにより、大量のデータを高速に検索でき、結果のランク付けやタイポに対するファジーサーチを簡単に追加できます。

成長性

資金調達の状況を見ると、Xata.ioは2回のラウンドで合計3500万ドルを調達しており、最新の資金調達(投稿時の日付時点を入れる)は2022年3月に行われたシリーズAラウンドでした。

3. Cockroach Labs

Cockroach

企業の概要

Cockroach Labsは分散SQLデータベースを提供している企業で、そのデータベースはスピード、スケール、サバイバル(生存)の3つの要素に焦点を当てて設計されています。

強み

柔軟なスケール

CockroachDBは自動的にデータとワークロードの需要を分散させることで、スケーリングを非常にシンプルにします。これにより、手動でのシャーディングや複雑な回避策から解放されます。

データの不滅性

データの損失は企業に損失をもたらす可能性があります。

CockroachDBは予測不可能な事態やマシン、データセンター、地域の障害からデータを保護することができるように設計されています。

ローカルおよびグローバルデータのサポート

CockroachDBは複数の地域間でスケーリングを行い、データを特定の地域に結びつけることで、ローカルとグローバルのデプロイメントに対する最高のパフォーマンスを保証します。また、行レベルの制御により、常に変わるデータプライバシー法に対するビジネスの保護もサポートします。

以上の特徴により、Cockroach Labsの製品は開発者、アーキテクト、DevOps/SREにとって価値あるツールとなっています。開発者には速度と耐久性を、アーキテクトにはデータの簡易化と配信のシームレス化を、DevOps/SREにはデータ管理の軽減と大規模運用のサポートを提供します。

成長性

企業としてのCockroach Labsは、これまでに8回の資金調達ラウンドで合計633.1Mドルの資金を調達しています。最新の資金調達(投稿時の日付時点を入れる)は2021年12月16日に行われたシリーズFラウンドで、その時点での企業価値は10億から100億ドルの範囲にありました。

4.PlanetScale

PlanetScale

企業の概要

PlanetScaleは開発者向けのリレーショナルデータベースサービスを提供している会社です。PlanetScaleのデータベースは、確立されたオープンソース技術であるVitess上に構築されています。これによりユーザーはデータベースのスケーリングや信頼性について心配することなく、アプリケーションの構築に集中することができます。

強み

従来のデータベースサービスと比較して、PlanetScaleの特徴的な点は、"ブランチ"と呼ばれる機能です。これはソフトウェア開発でよく使われるGitのようなブランチシステムをデータベースに導入したもので、新しい機能を安全にテストしたり、データベースの変更を容易に管理したりすることが可能になります

また、PlanetScaleは、"次世代の接続プーリング"という特徴も持っています。これは、データベースへの接続を効率化し、より多くのリクエストを少ないリソースで処理することを可能にする機能です。

成長性

会社の資金調達の状況を見ると、PlanetScaleはこれまでに4回の資金調達ラウンドを経て、合計で1億500万ドルを調達しています。最新の資金調達(投稿時の日付時点を入れる)は2021年11月16日に行われたシリーズCラウンドでした。